Date: 2024-12-20
Author: 比奈沢 悠月
古びた家の二階、廊下の奥にある部屋で私はSと暮らしていた。その家は祖母の家に似ていて、しかし微妙なところが違っていた。Sは姉のような存在でありながら、実際には祖母の友人か親戚の娘で、居候のようにこの家に滞在していた。彼女の姿は高校時代に好意を寄せていた人物に酷似していて、しかし明確に異なる人物であった。私はそのことに戸惑いながらも惹かれていた。……